ヴェルディ歌劇「アイーダ」(1951)

オリヴィエロ・デ・ファブリティース:指揮
パラシオ・デ・ラス・ベリャス・アルテス・デ・メヒコ管弦楽団&合唱団
アイーダはLDはあるものの、CDは手元に無い。トスカニーニの演奏会形式ライブのエアチェック(死語)テープが手元にあるのみである。(こちら)なぜかというと、オペラというのは指揮者、歌手共に気に入っていないと、なかなかソフトを買う気にならないからなのだ。
で、このCDであるが、以前タワレコで見かけて気になって今度来たら買おうと思っていたら次に来た時にはは売れてしまっていた。幸い通販で安い輸入盤が出ていたので助かった。ではなぜこのCDが気になったかというと、天下のマリア・カラスとデル・モナコの共演ライブ(メキシコ)なのである!(レコード会社の関係から正規盤では共演が無い)
カラスはデビュー4年目で若々しく声が余っている感じ。第2幕ラストで(個人的には)今まで他の「アイーダ」では聴いたことがない高音が合唱を突き抜けて聴こえてきたが、これはたぶん楽譜には無い最高音をあえてカラスが歌っているのだろう。これは一聴の価値あり。デル・モナコもデビュー11年目でやはり圧倒的な声で、第3幕の二重唱はふたりとも一歩も弾かぬ意地の張り合いのような歌いっぷりだ。その3幕のラストは、デル・モナコが最終音を伸ばしに伸ばす。
アモナスロのタディも、アムネリスのドミンゲスも素晴らしい。またラテン系のオケ、合唱、聴衆、すべてが熱狂的なライブである。オペラというものは勿論一個の完成品ではあるが、同時に圧倒的な声を聴きたいという聴衆の欲求に応えるものであるという側面も持っている。だからこういうオペラもたまにはいい。ただし、音質は上質の海賊盤並みなので、「アイーダ」を1枚欲しいという人には勧められない。