ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」

フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1954)
アナログ時代、フルトヴェングラーの名を知ってから初めて買ったレコードが実はこの演奏だった。
当時は全く知識が無いから、最晩年の、遅い、ほぼインテンポの重厚な演奏を聴き、フルトヴェングラーはこういう演奏をする人なのだと、1947年の「運命」を聴くまでは思い込んでいた。
CDでは1947年盤1枚で満足していたのだが、店頭で廉価で出ているのを見て、やはりアナログ時代に聴いたものは懐かしくなって買ってしまう。
さて、聴いてみると踏みしめるような演奏ではあるが、思ったほど遅くは無い。記憶というものはあやふやなものだ。激しいアッチェレランドが陰をひそめたが、その分切れば血の出るような凄みは増している。特筆すべきはコントラバスの生々しい迫力で、これもガット弦のせいなのか?(こちら
それはさておき、1947年盤とは違った意味で名盤といえる。