ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付」

フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1942.3)
人によっては、バイロイト盤より上と評価する、戦時中のライブ。
一番速いと所と遅いところの差が、バイロイト盤より若干大きいものの、基本的解釈はバイロイト盤と変わらない。
しかし最も大きな差は、寄せ集めのバイロイト・オケに比して、当時フルトヴェングラーと一心同体であったろうベルリン・フィルの一糸乱れぬ完璧な演奏であろう。そういう意味ではバイロイト盤より上と評価する人の気持ちも分かる。ティンパニの迫力は特筆物。
ただし、アダージョでホルンのフライングがあり、それまでアナログ時代、これを聞いたことがあったかうろ覚えだったが、そこを聴いて思い出した(笑)
ちなみに、こちらもフィナーレのマーチのテノール独唱のラストが、合唱に埋もれてしまう。
個人的にはオケに穴があっても、全体的な雰囲気と、若干音のいいバイロイト盤かルツェルン盤をとるが、この3枚はあえて順番をつける必要もないだろう。
今回、あえて針音を軽減しなかったという「第2世代アナログ復刻」で聴いたが、やはり針音が気になるので、多少音は悪くても通常のCDが欲しいな。