モーツァルト「魔笛」

レヴァイン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団(1982)
アゴスティーニ・オペラ第3弾である。私にとっての「魔笛」の映像のベストは1983年のサヴァリッシュ指揮バイエルン国立歌劇場であるが、こちらもネット上では評判がいいので、買ってみる。
魔笛」は慣習的にセリフのカットがある(上演により差がある)が、この公演はほとんどカットが無いそうで(パパゲーノの母が夜の女王に仕えていたかもってセリフは初めて見た)たっぷり3時間ある。つまりは2枚組である。2枚組でこの値段。今後のワーグナーやシュトラウスもこの調子で廉価で願いたいものだ。
ちなみにサヴァリッシュ盤は2時間40分で1枚組である。(手元にある同じくレヴァインのメト盤(1991年:LD)は2時間50分)
さらにちなみに両方では夜の女王のグルベローヴァ、パパゲーナのジーバー(サヴァリッシュ盤の表記はジーベル)が共通し、三人の童子も共にテルツ少年合唱団員である。
歌手はザラストロのタルヴェラが若干不調な以外は及第点、ペーター・シュライヤーは若作りが過ぎるが(笑)
レヴァインは、何をやってもそつなくこなすのだが、よく言えば響きが柔らか、悪く言えば軟弱、モーツァルトならもっとシャキシャキしてもいいと思う。
とはいえ、この値段なら充分お勧め、と言いたい所だが、「魔笛」を1枚だけ買うなら、やはりサヴァリッシュ盤をお勧めしたい。
ルチア・ポップのパミーナは無敵である(笑)
また、「パ・パ・パの二重唱」で子供がいっぱい出てくる演出は、これを見たらもう他の演出は見れない。(いつも涙してしまう)エンディングに彼らもいっしょにいるのも好ましい。