ベッリーニ「清教徒」

セラフィン指揮、ミラノ・スカラ座管弦楽団(1953)
マリア・カラス
ジュゼッペ・ディ・ステーファノ
ローランド・パネライ
ニコラ・ロッシ=レメーニ

カラスの「清教徒」は2種、そのうちのオフィシャル盤、もう一方は1952年のブラジルでのライブ。
文字通りイギリスの「清教徒革命」をモチーフにしたオペラ。しかし結局は、恋人に裏切られたと思いこんだ女性が発狂する悲劇。うーんベッリーニのオペラはなんか台本はトホホだな(笑)
しかし、音楽的にはベッリーニ死の年(とはいっても34歳)の最後の作品だけあって、完成度は高い。
アリアよりも重唱の比重が多く、それが絶妙である。少ないアリアも円熟の極み。それをこの豪華メンバーで聴けるのだから名盤扱いもうなずける。
ベッリーニは「夢遊病の女」の成功後、自らの管弦楽の力量の不足を思い知って再勉強したとのことだが、その成果がこのオペラにはあられているようで、曲調もバレエティに富んでいる。
今までベッリーニには辛い点をつけていたが、このオペラには文句の付けようが無いな。