クナのエロイカ ウィーン・フィル

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1962)
クナのウィーン・フィルによるエロイカは長い事入手困難状態だった。
アナログ時代クナのエロイカはミュンヘン・フィル盤だったかウィーン・フィル盤だったか記憶があやしかったし、何より1962年のクナのエロイカは是非とも手元に置いておきたかった。
今回表示上は1961年となっているもののネット情報によると1962年の演奏であるというウィーン・フィルのエロイカがブル8ウィーン・フィルとカップリングで発売された。(確かに演奏記録上もクナは1961年にエロイカを振っていない)

ブル8ウィーン・フィルは既に持っているが、最新デジタル・リマスターで音がよくなっているだろうから、是非とも欲しかった。(邦盤はなぜかブル8のみ)
先日の札幌旅行で、時間が余ったので、ダメ元でタワレコへ行ってみたら・・・・あったのである!!さすが大都会!素晴らしい。
で、冒頭で疑問はすぐに解消、拍手が終わらないうちに演奏が始まる。これはアナログ時代聴いたことがなかった(笑)
基本的な解釈はブレーメン・フィル(1951)ミュンヘン・フィル(1953)と変わらないが、テンポは最も遅い。遅いがニュアンス付けの妙味であっという間に聴き終ってしまう。
昔からこのウィーンフィル盤は音質が劣るといわれていたが、今回のリマスターで最も良くなってしまった。これからは三種三様に楽しめるのがありがたい。
特筆すべきは、第1楽章展開部冒頭の第1バイオリンのシンコペーションで、コレギウム・アウレウム以外の通常のオケで、ここがしっかり聴こえるのは、私の知る限り、このクナのウィーンフィル盤のみである。