昨日、「DUNE/デューン 砂の惑星」(2020)の予告編でモヒアム教母がポウルの首筋にあてるのが長い針なのが違和感と書いたが
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2020/09/11/074138
ちゃんと調べてみたら、日本語版の用語解説では
ゴム・ジャバール:メタ・シアン化物を先端につけた特殊な毒針
とあり、特に形状についての説明は無い。これは原語の用語解説の直訳と思われる。
それであるなら、長い針でも間違いではない。
原語で調べると
Gom Jabbar:meta-cyanide poisoned needle that sat upon a thimble
という記述があり、これは「指ぬき」に装着された毒針ということで、これを発見した時は「やっぱり長い針じゃないじゃん」と一瞬思ったが、さらに調べると"thimble"(指ぬき)の付加された説明があまり多くない。
どうもこの記述は、最初の実写「デューン/砂の惑星」(1984)で指サック型の指ぬきに毒針が装着されていた事に引きずられている気がする(昨日は指輪に仕込んだ毒針と書いてしまったが記憶違いでした。すいません)
この「指サック型の指ぬきの毒針」の表現は影響が強く、2000年のドラマ版でもそのまま踏襲されていた。(なので、私も無条件にこの形状が正しい、と思い込んでいた節がある)また"Gom Jabbar"で画像検索するといろいろと出てくるが、多少の違いはあれほとんどが「指サック型の指ぬきの毒針」である。(たまに手のひらに装着する型の指ぬきもあったりするが)
なので、今回の映画は実はより原作に忠実と言えば忠実なのかもしれない。
しかしである。この毒針はいわゆる暗殺用である。武闘の訓練を受けているポウルの首筋にやすやすと針先を突きつけられるのである。モヒアムが特殊訓練を受けたベネゲセリットの教母という事を考慮してもは、あんなに目立つ長い針を堂々と使うというのは、やはり不自然な気がする。