ブルックナー 交響曲第3番(ノバーク1版)

シモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィル(2006)
前々からこの女性指揮者のブルックナーは気になっていたのだが、タワレコで輸入盤が安かったので買ってしまう。
これでブル3のノバーク1版はインバル、ティントナーに続いて3枚目になった。
インバルが「透徹」ティントナーが「美」とするとヤングは「豊潤な叙情性」とでも言うべきか。女性指揮者だからというわけではないのだろうが、ブルックナーに対して「叙情性」によるアプローチができるとは盲点だった。そしてまたこれが悪くないのである。(若干リタルダンドがきついところがあるが)
テンポは速めのインバルと遅めのティントナーのちょうど間の速さ。しかし例の展開部冒頭(こちら)はインバルに軍配が上がる。第1楽章ラストで金管が弦をかき消してしまったのも惜しい。
やはり僅差でインバルをあげるが、ほんとうにこの3者は差がないし、別々のアプローチなのでどれも捨てがたい。インバルは目立った欠点が無いが、ヤングは決め所で若干詰めが甘い部分があり、ティントナーは躍動感が若干たりないという減点のみの差である。
ヤングはこの前にブルックナーの2番からブルックナーシリーズをはじめている。よりによって2番からというのもすごい話だ。そしてその後4番(やはり1版)を出して、次には8番が控えているようだ。これはいづれすべて聴かねばなるまい。