EXTRA TEXTURE(ジョージ・ハリスン帝国)(1975)

GEORGE HARRISON
私は、ジョージについてはえらそうな事は言えない。「慈愛の輝き」(1979)までしか聴いていないからだ。このアルバムからシングルカットされた”You”(二人はアイ・ラヴ・ユー)(アルバムといい、これといい、邦題がなんだかなーであるが)についての思い出した事がある。この前のアルバム”Dark Horse”(1974)からシングルカットされた、Ding Dong, Ding Dong(ディン・ドン)をふまえての事なのだが、当時、海外の評論家が「ジョージは作詞の才能が無くなってしまったのか」と揶揄しているという記事を読んだ事があった。たしかに、この2曲とも、歌詞らしい歌詞はない。しかし、これは個人的な感想だが(私も作詞作曲をするので)詞を書いていると、最初はいろいろ技巧にこったり、いい感じの言い回しなんかを探ってみたりして書いてゆくのだが、だんだん自分の心情にあわない歌詞は、うそをついている気になる。自分の心情のみを歌詞にするなら、技巧をこらすと、これまたうそになる。といことで、だんだん単純な言葉を、選んで使うようになった。そのうち、言葉ってなんだろうとか考えてしまうと、もう書けなくなってくる。プロの作詞家は、うそでも平気なのだろうが(これは悪口を言っているわけではない、尊敬してしまう)ジョージはインド思想、宗教に影響を受けているので、少なからず、そういった点があったのではないか?