鯨統一郎の歴史ミステリー

1.金閣寺に密室
2.謎解き道中
3.いろは歌に暗号
鯨統一郎
以前、この人の「邪馬台国はどこですか」について、(コメント欄だったか?)多少書いたことがある。この人は、さまざまなミステリー手法でいろいろな作品を書いているのだが、とりあえず、歴史ミステリーの部類で、このシリーズについて書く。この3作品であるが、2と3は1の続編であるが、3は2の続編ではない、というちょっと変な形をもっている。
ざっと説明すると、1は、室町時代、ある陰陽師が「一休さん」の妻だった森女を訪ね、森女が一休の思い出を語ると言う形で、探偵一休さんの話が展開する。それも、茜、紗枝、新右衛門といった、どこかで聞いたことのあるキャラとともに(ただし、一休自体はアニメのようにかわいらしいキャラではないが、ちなみに作品のテーマも)2は、その一休達の話の続編(連作短編)、そして3は、1の陰陽師が、別の人物に「空海」の「いろは歌」について訪ね、その人物が語る話として、探偵空海の話が展開する。というわけで、最初に言った「2と3は1の続編であるが、3は2の続編ではない」と言うことになるのだ。まあよくこんな凝ったことを考えるものだ。