ゲド戦記:アースシーの風(2001)

(Earthsea Cycle:The Other Wind)
アーシュラ・K・ル=グウィン
外伝があるとはいえ、とうとう読み終えてしまった。読み終えたいのに、読み終えるのが惜しい、そういう作品の一つだった。
アースシー」の世界の創世、竜と人間、魔法使いのいる国といない国、生と死、そして、一体「アースシー」の世界に何が起きていたのか。意外にもあらゆる伏線が解決した。多少謎が残り、読者の手にゆだねられるのかとも思っていたが。
以前
アースシー」の世界が、「魔法」を得たのもその世界の成長段階の必要性であって、この巻でとうとうそれを卒業して、魔法が無用な世界がこれから展開していく姿を描いているのでは・・・とも思わせる。(あくまで独断)
と書いたが、あたらずとも遠からずだった。
うーん、なんか、何を書いても、この読後感に合わないような気がする。とにかく、ファンタジーの枠に収まらない、すごい作品。ラストの余韻がまた心憎い!