闇の女王にささげる歌(1978)

ローズマリー・サトクリフ
物語は悲惨だが、子供向けということもあり、王家付の竪琴師が語るという形式にして、ワンクッションおくことで、大分悲惨さが緩和されているのが救いだし、サトクリフのうまいところ。でも、ケルトの誇りと侵略者の理不尽は充分に伝わる。そしてそれが詩的に昇華された美しさと迫力を持って、読むものに迫ってくる。