バックスキンの少女(1956)

ドロシー・ギルマン
ギルマンのジュニア向け時代の作品。「キャノン姉妹の一年」との間に2作品あるはずだが邦訳は無い。
開拓時代のアメリカ、両親はインディアンに殺され、兄はインディアンにされわれた少女。そして、兄は中身がインディアンとして帰ってくる。女中奉公のため、断りきれない意にそまぬ結婚話から逃れるため、少女は兄と共に町を逃げ出しモヒカン族のもとへ身を寄せる。
1956年の、それもジュニア向けの作品とは思えない「ダンス・ウィズ・ウルヴス」の先取りともいえるすごい作品。
ハッピーエンドになりそうになって、改めてジュニア向け作品ということを思い出すが、それに反して、後を引く読後感がまた絶妙。
彼女が只者でないことはもう知っていたが、こんな作品まで書いていたとは。
フレンチ・インディアン戦争(1755 - 1763)についても知らなかったなあ。