キャノン姉妹の一年(1953)

ドロシー・ギルマン
ギルマンのジュニア向け時代の第4作
早くに親を亡くしたためはなればなれに暮らしていた22歳と16歳の姉妹が、叔父の遺産の田舎の湖畔の家へ、二人きりで住むために乗り込む。
いやな叔母たちと離れて自由になり、二人の未来は前途洋々、ただし二人がほぼ一文無しであることを除いては。
一文無しである点を除けば、本人の体験「一人で生きる勇気」の先取りのようなシチュエーション。
(彼女が離婚したのは1965年だから、ノヴァスコシャへ移住するのはそれ以降)
姉妹の直面する困難、魂の成長ぶりは今までの作品の中では一番リアリティがあり、その分読み応えがある。
もうほとんど大人向けの作品としても読める作品である。