シューリヒト指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1963.12.7)
これは、かの名高きスタジオ盤の直前のライブである。スタジオ盤は1963.12.9〜12に録音なので、わずか2日前の演奏だ。
こんなものが残っているのだ。
演奏時間は、第1楽章、スケルツォはスタジオより短く、アダージョ、フィナーレは若干長い。
面白いもので、私が散々文句を言ったテンポの変化が、第1楽章はその速さゆえにめだたない。
スケルツォは弦がおののくがごとき怒涛の迫力。
シューリヒトのブル8アダージョは美しさで定評があるが、これはさらに上を行く。
フィナーレは第1楽章とは違い、テンポの差がスタジオより大きいが、スタジオより流れが自然で、かの圧倒的な感動を呼んだブル5フィナーレを思わせる。
これは、モノであることを差し引いても、個人的にはスタジオ盤を超えたかも。
特筆すべきはブル5同様、ウィーンフィルの素晴らしさだ。