ブルックナー 交響曲第9番

シューリヒト指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1955.3.17)
EMIが、このコンサートをきっかけに、かの名盤(1961)の録音を決めたと言われる伝説のライブ。こんなものが残っているのだ。
両端楽章は1961年盤より若干遅く、その分比較的表現が濃い。スケルツォは同テンポながらもリズムはより強烈。
完成度は驚異的に高く、ウィーン・フィルの素晴らしさは相変わらずで、まさに1961年盤の別テイク的趣きで、ステレオなら評価を二分したかもしれない名演といえる。
実は、今まで書かなかったが、1961年盤は(デジタル・リマスターでは目立たないように修正されているが)第1楽章終結部にわずかだけヴァイオリンの乱れがあるのだが、当然こちらはそれが無いのも価値が上がる点。
これは、シューリヒトはあっさりしすぎているという人に聞いてほしいし、勿論1961年盤ファンも是非聴くべきだ。