シューリヒトのモーツァルト「ハフナー」「プラハ」

モーツァルト
交響曲第35番「ハフナー」
シューリヒト指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1956)
交響曲第38番「プラハ
シューリヒト指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1960)
シューリヒトのモーツァルト音源集である。
「ハフナー」は、ウィーン・フィルのアメリカ公演旅行におけるニューヨークの国連本部に於けるライヴで、元々はウィーン・フィルのアメリカ公演旅行の指揮者がエーリッヒ・クライバーだったが、クライバーの急逝を受けての給与の代役という大役をシューリヒトが見事に果たして、アメリカ公演旅行は大成功で終わったとの事。
しかしこの録音は、コンサート会場ではないせいか、残響がほとんどなく、バランスもあまり良くない。特に低音部が寂しい。
しかし、細かいテンポの変化のある、ロマン派的演奏でありながら、同時に一気呵成の爆裂演奏でもある、とんでもない演奏だ。
35番は、手元に同年のシュトゥットガルト盤(1956)がある。
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20081021/p2
こちらは、テンポの変化が無い分実に自然体の名演。オケの良さと演奏の面白さはウィーン・フィル盤だが僅差でシュトゥットガルト盤をとりたい。
プラハ」はザルツブルクにおける1960年のライブで、テンポの変化もあまりないが、その分一気呵成感はさらに強い。しかし、絶妙なニュアンス付けはいつものシューリヒト節。
プラハ」は手元にシュトゥットガルト盤(1956)(上記)とオフィシャルのパリ・オペラ座管弦楽団盤(1963)がある。
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2008/10/20
オフィシャル盤の40番41番では辛い点をつけたが、この「プラハ」は枯淡の境地の成功例で、この3種の演奏は簡単に甲乙はつけがたい。あえて言うなら僅差でオフィシャル盤を採る。