半七捕物帳 第6巻(春陽文庫版)

岡本綺堂
執筆順に収録されているのかどうかわからないのだが、5巻を越えたあたりから、中篇まではいかなくても長めの作品が増えてくる。
それにしたがって、実は二つの事件が同時に起きていた、というパターンが良く出てくる。
また、続編までは行かなくても、登場人物が共通している作品がすぐに続いたりして、半七捕物帳も執筆年代により、作風に差があることがわかる。
ちなみに勉強になることも多く、「ダメ」を意味する「ペケ」という言葉が江戸時代からあったということは寡聞ながら知らなかった。
また、旧暦師走を意味する「極月」という言葉も初めて知った。
最後の作品には、我が青春の地、川越も登場するが、当時は船で1日かからない、ということで、江戸とは人の交流も盛んだったということも初めて知った。
PS.
「年は二十三で、ちょいと蹈める女です」という言い回しがでてきたが、意味がよくわからない。
金額などを予想するとき「○○円は蹈める」等と言うから、単純に、ちょいと金を蹈んでも惜しくない、いい女ってことかなあ。