ワーグナー「パルジファル」より「前奏曲」

クナッパーツブッシュ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1951)
1962年盤とともにクナの「パルジファル」のオフィシャル盤であるが、こちらは2回のゲネプロを中心に全6回の公演のうちから不備を補ったという、ある意味クナが最も嫌うやり方ではある。
とりあえず「前奏曲」の感想をあげる。ちなみに廉価のNaxos盤(LP起こし)
まず、テンポがとんでもなく遅いのでまずびっくり。通常は10分から11分で演奏される曲を15分かけて振っている。単純に1.5倍である。そして、遅すぎるテンポにオケがついてこれないのか、縦の線がづれまくっている。
しかし、このづれた縦の線が、まったく欠点にならず、かえって別の魅力として聴かせてしまうのが、クナ・マジックである。
オケがついてこれないというのは、明らかに即興なのであって、即興による縦の線のづれを考慮にいれて、クナは振っているのだ!恐るべし!