フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1953)
フィガロ:エーリッヒ・クンツ
スザンナ:イルムガルト:ゼーフリート
伯爵:パウル・シェフラー
伯爵夫人:エリザベート:シュヴァルツコップ
ケルビーノ:ヒルデ:ギューデン
マルチェリーナ:ジークリンデ:ワーグナー
バジリオ:ペーター・クライン
他
アナログ時代、フルトヴェングラーの「フィガロの結婚」を持っていた事は、たぶん何回か書いていると思うが、ドイツ語だし、CDでは特に買わなくてもいいかな、と思っていた。
しかし、歌の練習でフルトヴェングラーの「魔笛」を聴いていたら、やはりフルトヴェングラー独特の音づくりに聴き入ってしまって、「さて、フィガロはどうだったかしら?」と思い始めてしまったので、買ってしまう(笑)
ザルツブルク音楽祭、かつ巨匠の指揮ということで、溜息がでるような豪華キャストである。
序曲の終結部にアッチェレランドがかかり、ああ、フルトヴェングラーだな、とにんまりする。
しかし、本編に入ると、最晩年の演奏だけあって、極端なテンポの変化も無く、遅めのテンポの古きよき時代のウィーン・フィルの極上の響きが堪能できる。「古きよき時代のウィーン・フィルの〜」という言葉は、エーリッヒ・クライバー盤(1955)でよく使われるのだが、個人的にはフルトヴェングラー盤に軍配を上げる。
しかし、管弦楽的には極上でも、歌手にはちょっと遅いようで(笑)時折歌手が管弦楽を追い越してしまいそうになる。難しいものである。
それでも個人的には、かなり上位にランク付けたい。ただし、ケルビーノはメゾに歌って欲しいが。