ヴァンスカのロマンティック

ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」1888年版
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタ管弦楽団(2009)
シベリウスやニールセンを愛聴しているヴァンスカがブルックナーを録音していた!!
1888年版とは、いわゆる改定版だが、2004年のコーストヴェット校訂版とのことで、この版により「評価が始まっている」(ウィキペディア)とのこと。
ちなにみ我が家にある「ロマンティックの」改訂版は
クナッパーツブッシュ
http://d.hatena.ne.jp/hakuasin/20080305
http://d.hatena.ne.jp/hakuasin/20080312

マタチッチ
http://d.hatena.ne.jp/hakuasin/20090226

さて、これは非常に面白い演奏で、こういう演奏は今まで無かったし、心のどこかでこういう演奏もあっていいのでは、と思っていた節もある。
ヴァイオリン左右配置の小編成で、主旋律、副旋律、伴奏の区別をせず(第1楽章の第2主題のように、主旋律を抑えたりする)全ての旋律を同等に生かそうとするために、ブルックナー本来の「対位法的作曲家」としての面が全面的に押し出されてきている。
ヴァイオリン左右配置、小編成はヘレヴェッヘもそうだったが、ここまで各旋律のからみが明確ではなかった。
全体としてしっとりした演奏というのも新鮮である。
校訂版のせいか、すっきりとした演奏のせいか、改訂版としての欠点はほとんど目立たない。
ヴァンスカは2000年に別オケとのブル3があるが、このまま全集を録音してほしい。(ヘレヴェッヘはヤングは結局全曲は録音しなかったので、がっかりした)