トスカニーニ クナッパーツブッシュのハイドン「V字」

ハイドン 交響曲第88番「V字」
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1938)
クナッパーツブッシュ指揮 ヘッセン放送交響楽団(1962)
ハイドン・エディションが届くまで、家にあるハイドンをいろいろ聴いているのだが、ある意味両極に位置する指揮者でこの曲を聴き比べてみた。
トスカニーニは速めテンポで躍動感あふれる古典派としてのハイドンの理想的な演奏である。
それに比してクナッパーツブッシュのこの遅さはどうだろう。まるで別曲のようである。確かにこれはハイドンではないかもしれない。ハイドンを指揮する正しいやり方ではないかもしれない。しかし、この遅いテンポの巨大かつ緊張感にあふれた音楽の再創造を聴いてしまうと「この音楽がハイドンかどうか」等、些末的な事に思えてきてしまう。1962年以降のクナッパーツブッシュはやぱり化け物だった。