メンデルスゾーン 交響曲第5番 「宗教改革」

メンデルスゾーン 交響曲第5番 ニ長調宗教改革
サヴァリッシュ指揮、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団
ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団
トスカニーニ指揮は第4番「イタリア」とのカップリングが昔から名盤の誉れが高い。
ミュンシュ指揮はリヴィング・ステレオBOX
メンデルスゾーン交響曲の項番は、作曲順ではなく出版順なので、この5番が2番目の交響曲で21歳の時の作品である。
第1楽章の序奏部にドイツの賛美歌「ドレスデン・アーメン」が引用されているが、これはワーグナーが「パルジファル」のテーマとしても使用したもの。あれだけメンデルスゾーンを嫌っていたワーグナーなのに、皮肉なものである。
さて、この3録音はいずれ劣らぬ名演だと思うが、トスカニーニは最終楽章がやや遅く、推進力が要のこの楽章にはマイナスか。
ミュンシュは抒情的な美しい演奏だが、その分音楽の芯がぼやける部分がある。テンポの変化にも作為性が感じられる。
そうなると、最も素直でバランスのとれたサヴァリッシュ盤ということになる。サヴァリッシュという人は、飛び抜けた名演は無いのだが、この素直さとバランスの良さで、結局この人の演奏を聴いてしまう、という演奏が非常に多いという種類の名指揮者である。