ベルリオーズ「イタリアのハロルド」さらに2種

ベルリオーズ「イタリアのハロルド」

デュトワ指揮 モントリオール交響楽団(1987)
ピンカス・ズッカーマン(Vla)
デュトワベルリオーズBOXである。当初ヴィオラ協奏曲を念頭に作曲が始まったが、結果的にヴィオラ独奏付きの交響曲という事に落ち着いたが、これもある意味ジャンルフリーである。なぜなら、クライマックスである最終楽章でヴィオラがほとんど出てこないからである。あたかも合唱曲集である「トリスティア」の最終曲に合唱がほとんで出てこないかの如くである。
最近、復習のためにトスカニーニ盤とミュンシュ盤を聴きなおしたのだが
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2017/09/12/045456

トスカニーニ盤は非常に真摯な演奏だがミュンシュ盤は多少下卑た演奏に聴こえた。私が「幻想交響曲」を苦手だ、という感じと同じ感じを受けた。
さて、デュトワ盤であるが、遅めのテンポの実にしっとりした演奏でミュンシュ盤のような下卑たことろは微塵も感じられない。この曲も指揮者によって随分様変わりする。こういう演奏ならこの曲も好きになるな。

 

ベルリオーズ「イタリアのハロルド」

インバル指揮 フランクフルト放送交響楽団(1988)
ユーリ・バシュメット(Vla)
インバルのベルリオーズBOXである。
インバルらしい真摯な演奏だが、若干テンポがせわしない。またちょっと渋すぎるか。今までインバルとデュトワではインバルをとってきた印象があるが、この曲に関しては色彩を保ったままのしっとり感があるデュトワ盤をとりたい。