チャイコフスキー 歌劇「マゼッパ」

ヴァシリー・ネボルシン指揮 ボリショイ劇場管弦楽団(1949)
アレキセイ・イワーノフ:首長マゼッパ
イワン・ペトロフ:コチュベイ
ヴェラ・ダヴィドワ:コチュベイの妻リュボフ
ニーナ・・ポクロフスカヤ:彼らの娘マリア
グリゴリー・ボルチャコフ:若いコサック、アンドレイ
ヴェセヴォロド・チュチューニク:マゼッパの使用人オーリック
ティホン・チェレニアコフ;コチュベイの友人イースクラ
フョードル・ゴドフキン:酔っ払いコサック

実在するコサックの英雄マゼッパを題材にしたプーシキンの詩を元にしたオペラ、リストも交響詩にしている。

簡単なあらすじを書くと
マゼッパはマリアと愛し合っているが、あまりに歳の差がある事と、マゼッパの独裁への不満が民衆にある事から、マリアの父コチュベイはロシア皇帝にマゼッパを訴えるが、逆にコチュベイが処刑されてそれを目の当たりにしたマリアは発狂、という、誰が正義で誰が悪だかすっきりしない話、っていうかこれがロシア文学なんだろうな。

題材が題材だけにドラマティックでもあるし、土着的要素もあるし、チャイコフスキーらしいキャチャーさもある。いつも思うが、チャイコフスキーのオペラって「エフゲニー・オネーギン」「スペードの女王」以外、人口に膾炙してないのはなぜなんだろう。

このオペラについて、大変わかりやすくまとめたサイトがあったので、大変申し訳ないが直接引用させてもらう。


「1709年に勃発したポルタヴァの戦いでロシアに敗れたウクライナの英雄マゼッパを題材に、壮大な歴史物語を描いたプーシキンの詩「ポルタヴァ」が原作である。チャイコフスキーはこの悲恋と政治的裏切りの物語に魅せられ、台本作家ブレーニンに仕事の依頼をしたが、出来栄えに満足出来なかった。そこで自らプーシキンの詩を加え直し、マリアに報われぬ愛を捧げるアンドレイ役を加え、クライマックスを書き換えるなど推敲を重ねた。モスクワでの初演は好意的な評価を得たが、4日後に上演されたサントペテルスブルクではあまり歓迎されなかった。しかし悲劇の運命に翻弄されながらも、それぞれの愛に懸命に生きた人々のアリアは大変感動的であり、終幕に狂気のマリアが歌う子守唄は、鳥肌の立つような悲しみを訴えて涙を誘う。」