ポルナレフ・BOXが届いた。ブツを見て我が家では口々に「本じゃん!」
横長A4サイズで厚さ3.5cmの堂々たる本である。
それはさておき、BOXに挑戦する前に、久々にポルナレフのドキュメンタリー・DVDを見た。フランスで1972年1月にテレビ放映された、インタビューの合間にライブ映像が差し込まれる番組である。
まあ、当時のフランスのテレビ側が、どれだけ髪の長いロック・スターに偏見があるか、というのがよくわかる作りにはなっているが、いろいろと興味深い。
私は、ポルナレフはロマンティックな甘いイメージの陰に、実はとんでもない革新的な要素がひそんでいると思っている。
かの「シェリーに口づけ」でも、実はあの曲の肝は、対位法的なバックコーラスが絡むところだと思っているし「バラ色の心」のメロディなぞ、ポップスの範疇を超えていると思っている。
で、この番組のインタビューで、信じてもらえないかもしれないが、実は「バラ色の心」のメロディは、ある朝聞こえてきた鳥のさえずりが元になっている、と語っていた。鳥のさえずりに心をとめる、そのセンスがやはりすごいのだな。
あと、今更ながらにいろいろと調べていて思ったのが、フランスと日本のポルナレフに対する感性の違いだ。
ウィキペディアによると、
1970年
7月、「僕は男なんだよ」がフランスで大ヒット。B面は「忘れじのグローリア」。
とある。
「僕は男なんだよ」が悪いとは言わないが「忘れじのグローリア」をB面においやって、しかも大ヒットする、というのが、個人的には理解に苦しむ。前に書いたが「忘れじのグローリア」が人気があるのが日本だけ、というのがこういうところなんだろうな。
まあ、上記のDVDでインタビュアーが(髪が長い イコール ゲイという観点から)しつこく「ゲイではないんですね」と念押ししていて、そういう世間に対するアンサー・ソング的にこの曲を発表した、という経緯があり、それがヒットの原因なのかもしれない。