"Dark Magus"(1974)Miles Davis

"Agharta"、"Pangaea"(1975)の前年のライブアルバムである。当初は"Agharta"、"Pangaea"の発売後の1977年に発売された。たぶん"Agharta"、"Pangaea"後に引退状態(1980年に復帰)に入ったために、レコード会社が売れる音源がまだある!とばかりに発売したのだろう。
ギター、ベース、ドラム、パーカッションがアガパンと共通しているので、ほぼアガパンなのだが、ソリストの違いで少し印象が違う。
こちらの方は、マイルスを始め、ソリストが全開状態の凄まじさである。それはそれで凄いのだが、ではなぜこのメンバーでアガパンをやらなかったのか、という事になる。凄まじいと書いたが、別の言い方をすれば、凄まじいがジャズの範疇なのだ。マイルスは、そいういう所を壊したかったのではないか。
アガパンのような研ぎ澄まされた異世界のような音空間のためには、いかにもジャズといったソロ演奏は不要だったという事なんだろう。
しかし、このアルバムもやはり凄い事は凄いので、前作の「ゲット・アップ・ウィズ・イット」次作のアガパン同様繰り返し聞くことになろう。