レイン・トゥリー・クロウ「レイン・トゥリー・クロウ」(1991)

ジャパンの元メンバーが7年ぶりに集結して作成したこのアルバムを久々に聴いた。デヴィッド・シルヴィアン以外のメンバーのアルバムは比較的定期的に聴いていたのだが、やはり例のいきさつ(ネットで調べてください)を知るとデヴィッド・シルヴィアンがかかわるアルバムはちょっと遠のいてしまっていた(才能は凄いんだけどね)
で、今回感じたのが、ジャンル、音楽性は違うのだが、エレクトリック・マイルスと非常に近い空気を感じた、ということ。
このアルバムは基本的にフリー・インプロのセッションを元に、弱冠のオーヴァーダブやデヴィッドによる歌詞とメロディをかぶせて作成されているのだが、テクニックよりもメンバー同士の研ぎ澄まされたセンスのぶつかり合いの静かな緊張感が、エレクトリック・マイルスを髣髴とさせるのだ。
このアルバムを聴いたのは発売当時だから、勿論エレクトリック・マイルスを知らない頃だから、当然こういう感想は出てこない。人は成長によって音楽に対する感想も変ってくるのだな、としみじみ思う。