「マクベス」(1972)サード・イアー・バンド

サード・イアー・バンドの4thアルバムは、映画「マクベス」のサントラである。このバンドを知りめの頃は、こんな特殊なバンドがサントラをやるのだから、さぞかしレアな映画なんだろうな、と思っていたら、なんとロマン・ポランスキーであった!
それも、かの「ローズマリーの赤ちゃん」の次の作品で、かつ、ポランスキーの妻のシャロン・テート殺害事件の直後の映画であった・・・・・
さて、シェークスピアの史劇のポランスキー版に、サード・イアー・バンドはいかなるアプローチをしているのかと興味津々ではあったが、映画のシーンがタイトルになった1分台から5分台の全16曲から構成されている、メンバーの異動があり、今まで使用されていなかったロック的楽器、ギター、ベースも使用されている(選任ではない)12歳の少年の歌うボーカル曲がある、インプロのみならず、あらかじめ作曲された曲も増えた、これだけの変化にも関わらず、今までのアヴァンギャルド性が薄まったという印象がまったく無い、というのは驚異的である。しかも、映画音楽としての普遍性も持っている、となると、このバンドの最高傑作という世評も納得である。個人的には、「天と地、火と水」が好みだけどね。
映画の方もいつか見てみたいものだ。