図説 アーサー王の世界(1995 翻訳 1997)

デイヴィッド デイ
随分久しぶりに読んだ。
多くのバラエティがある「アーサー王伝説」を構成するさまざまなコンテンツのルーツ、変化する時代からの政治的、宗教的要求による内容の変遷、そして実世界への波及を、豊富な図版とともにわかりやすく説いてくれる好書で、例えばマロリーの「アーサー王の死」やフィンチの「中世騎士物語」を直接読むよりも、よほど「アーサー王伝説」に対する理解が深まる。
内容はざっくりとは覚えていたつもりだったが、改めて目から鱗の話。
なぜ、イギリスの王子が、生まれた時に「コーンウォール公」と呼ばれ、青年期には「プリンス・オブ・ウェールズ」と呼ばれるのか。
それは、アーサー王コーンウォールで生まれ(イギリス王ウーサー(ウーゼル)・ペンドラゴンと、コーンウォール公ゴルロイスの妻、イグレインとの間に生まれた)
15歳でウェールズで王に即位し、
最終的にイギリス全土の王となった、
という伝説に由来しているのだった。