北村薫のミステリーエッセイ

北村薫「ミステリ十二か月」
新聞に週一で1年間連載された、挿画を含めて文庫版でも見開き2ページ分の短い「子供向けの古今東西のミステリ紹介」エッセイと、その裏話、そしてその挿画(これがまた凝っている)を担当した版画家、さらに有栖川 有栖との連載内容についての対談をまとめた1冊。
北村薫の読書量の半端の無さも改めてびっくりするが、いろいろと共感できる部分がある。
例えば、ルパンの長編は子供の頃にこそ読んでおいてほしい、というくだり。私も「水晶の栓」や「813」は、えらく面白かったという記憶のみが残っていて、大人になって読んだら「こんなもんだったかしら」等と思ったものだ。
SFの「星を継ぐもの」や北村想の「怪人二十面相伝」が取り上げられているのもうれしい。また、先日カーのホームズ・パロディを読むために買った、ミニ・ミステリ傑作選(エラリー・クイーン編)
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2014/04/28/054516
も紹介されていた。

 

北村薫「謎物語」と「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」
北村薫のエッセイであるが、その冒頭で彼が息子になぜトマトが嫌いなのかを聞かれて、トマトを擬人化ならぬ擬犬化して、小さい頃トマトに追いかけられて噛まれてトラウマになった、と(まあジョークで)説明した。という話があった。その次の文章で
「この『トマトに追いかけられる話』は(北村薫の)オリジナルだと思っていたら、そういう映画があるという。
とあった。
これは以前ちらっと触れた「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」(1978)に違いない!
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2004/09/30