ヤング指揮 ハンブルク・フィルハーモニア管弦楽団(2007)
ご存知の方もいるかもしれないが、「ロマンティック」の第1稿は、一般的に演奏されている版(ハース版かノヴァーク2版 わかりづらいので以降は第2稿と表現する)とはだいぶ違う。たぶんブルックナーの曲の中で一番有名であろうスケルツォは全くの別曲だし、他の楽章も主題は共通するものの、別曲に近い。
今まで私は、「ロマンティック」は親しみやすいが深みにかけると散々言ってきたが、この1稿に関しては全く違う。親しみやすさはほとんど無い代わりに難解な複雑さに満ちている。この後のブルックナーの改訂作業が、世間に対する妥協に他ならなかったということがこれでもわかる。個人的にはこれから4番は第1稿を好んで聴くことになると思う。
実は「ロマンティック」の第1稿は、インバルですでに聴いているはずだが、当時は「ロマンティック」があまり好きでなかったこともあり、「第2稿とは違うな」と思ったっきりほとんど聴いていなかったのだった(汗)聴きなおしてヤングと比べてみないと。