グリーグのオペラ(とノルウェー中世史)

グリーグ 「オラヴ・トリグヴァソン(オーラヴ・トリュグヴァソン)」
ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリ交響楽団(1992)
ホーカン・ハーゲゴード(バリトン
ランディ・ステーネ(メゾ・ソプラノ)
アンネ・イェヴァン(アルト)
ペール・ギュント」は声楽入りだし、グリーグは歌曲が膨大にある。ので、オペラを書いていてほしかったなあ、等と思ったりしていたのだが、未完のオペラがあって、それがこのBOXに収録されていた!!望みがかなった気分。
スウェーデン支配下にあったノルウェーで、グリーグが10世紀のノルウェー王オーラヴ・トリュグヴァソン(「オーラヴ・トリュグヴァッソンの最大のサガ」等の伝説ができるぐらいの当時の国民的英雄)をオペラの題材に取り上げたというのは、ロシア支配下のフィンランドシベリウスフィンランディアを作曲したのと同じような思いがあったのかもしれない。
で、この王のこととか、なんで未完になったのかの事情を知りたくて、海外サイトを含めていろいろと調べているうちに「ニーベルングの指環」を漫画化した、あのあずみ椋が、そのサガのうちのひとつ(?)を漫画化しているとの情報を、海外ウィキペディア経由で知った(汗)ところが、現在かなり入手困難な状況(涙)
それよりも、肝心な「なぜ未完のままだったのか?」がさっぱりわからない。オーラヴ王が活躍したころのノルウェーの中世史についても、本もあまりでていないようだし、よくわからんな。あ、こんなサイトがあった。
http://www.runsten.info/saga/heim/index.html
っていうか、本当に肝心なのは「音楽」だった(汗)
メロディ・ラインは意外にもシンプルで、それに対し管弦楽がまとわりつくという、ワーグナープッチーニに近い手法である。
たまたまそういう場面の作曲が先行したのかもしれないが、合唱の割合が非常に多く、その出来がまたすこぶる良い。
全体で約35分、2時間のオペラだとしても約4分の1なので、とても全体を髣髴することはできないので、なんとか完成させてほしかった気がする。