「ライブ・アンド・モア」に続くドナ・サマー2枚目のライブ・アルバム。VH-1チャンネルのために収録された同名映像からヒット曲を集め、さらにスタジオ録音の2曲を加えてある。
この映像は、以前からちょこちょこと見ていたのだが、正直複雑な心境だった。
声量、テクニック共に申し分ない。しかし、声質が低くなってしまった。キーも下がった。つまりは以前のドナ・サマーの声ではなくなっているのだ。
1曲目の「マッカーサー・パーク」は素晴らしい。素晴らしいのだが1音下げなのだ。他にも「ホット・スタッフ」や「イッツ・フォー・リアル」"This Time I Know It's for Real"はサビの部分をコーラスにまかせたりしている。当時ドナ・サマーも50歳を過ぎている。この歳でこれだけやれた、と言うべきなのだろうが、なんか寂しい。
面白いのが「華麗なる誘惑」に収録され、シングルヒットもした「ディム・オール・ザ・ライツ」である。この曲はドナ・サマー自身の作詞作曲だが、元々はロッド・スチュワートに提供する前提で作られたが、最終的にドナ自身の曲になったのだが、このライブではロッド・スチュワートが歌う事を想定したアレンジのイントロ部分から始まっている。そこら辺をドナが聴衆に説明してから歌い始めている。歌い方もロッド・スチュワートに寄せているのが、いいサービスになっている。下記の映像では説明部分が収録されていない。
スタジオ録音の2曲のうちの1曲は先日ご紹介した"I Will Go With You(Con Te Partiro)"であるが
もう1曲の"Love Is the Healer"だが、なんとグレゴリオ聖歌を絡めている。あきらかにエニグマから始まったグレゴリオ聖歌ブームに乗っかったかんじだが、これはこれで面白い。