文化

イシ-北米最後の野生インディアン

シオドーラ・クローバー ル=グウィンの「所有せざる人々」を読み始めたが、読み進むにつれ、こちらの方がどうしても気になってしまい、こちらを先に読むことにする(なぜ気になったか、と(読み始めたばかりなので)感想については追々書く) 以前、ル=グウ…

支那そば館の謎(2003)

北森鴻 実在する京都は嵐山の「大悲閣千光寺」を舞台に、そこへ泥棒に入ったことをきっかけに寺男になった有馬次郎、実は名探偵の住職、を中心に彼らをめぐる人々のユーモア・ミステリー「裏京都ミステリー」シリーズ・・・・と思いきや、本格推理、ハードボ…

日本と欧米の感受性の違い

改めて思うのが日本と欧米の文化、というより感受性の違いである。 欧米は「目に見えるものが存在し、目に見えないものは存在しない」という文化である。 日本では世界でも珍しい「歌舞伎の黒子」というものが存在する。現実に舞台の上に存在しても、見るほ…

助六寿司

助六寿司は日本全国誰でも知っている(大阪は太巻きとか、若干違いはあるようだが) で、多少は歌舞伎を知っている身としては「助六所縁江戸櫻」から来ているのだろうということは漠然と知っていたが、本当の理由を知ったのは最近で、知ってみればなんで今ま…

生人形師 松本喜三郎

高橋さんの「ドールズ」シリーズで名前は知っていたが、熊本にまで行かないと見られないと思っていたが、考えてみればもうネット社会である。見ようと思えはけっこうネット上でも見れるのだった。しかしやはり一度は生で見たいものだ。 展覧会があったようだ…

謎解き 広重「江戸百」

原信田実 広重に興味を持ち、平凡社の「太陽浮世絵シリーズ」の「広重」をユーズドで購入してみたが、なんか違う。 同時に買った上記によると、私が「すごい!」と思った「近景と遠景のダイナミックな融合」は実は最晩年の「名所江戸百景」で初めて取り入れ…

広重

高橋克彦さんの「だましゑ歌麿」シリーズ最新文庫を読んで、同じ江戸ものということで、また「完四郎」シリーズも読んだ。(こちら) このシリーズは挿絵に広重の版画が使われているのだが、改めてこの人のすごさが見にしみる。 以前北斎がすごいと言うこと…

能と歌舞伎

久々の和物がうれしい「シンケンジャー」であるが、ブルーが歌舞伎役者で、ときおりそういったシーンが盛り込まれる。 しかしなぜか能舞台である。一般人には歌舞伎も能もごっちゃなのだろうが、製作側がごっちゃにしているのは困る。わかっててやっているな…

豆まき

東北では大豆ではなくピーナッツを使用するのだが、奥さんが「まいた豆を食べるのって衛生的に大丈夫なの?」と聞いてきた。 ピーナッツはまいても殻をむくので不衛生ではない、ということらしい。 私は子供時代は札幌だったので、関東以西の豆まきを知らな…

樹村みのりと柳沢由美子

私が樹村みのりのファンであることは何回か書いてあるが、一時期、その主旨にあった作品ということで、ヘルスワーク協会というところから過去の作品がまとめられて何冊か出ていた。 久々に、ちらちらめくってみたら、その中の一冊の解説を柳沢由美子が書いて…

ベルベル人

今回はモロッコが舞台という事でちらちら調べてみると、先住民族ベルベル人とある。 ベルベル人!?何それ?ということで調べてみると。ウィキペディアよりベルベル人は、北アフリカの広い地域に古くから住み、アフロ・アジア語族のベルベル諸語を母語とする…

戦後少女マンガ史(1980:文庫化 2007)

米沢嘉博 以前書いた「戦後SFマンガ史」(こちら)の前に書かれた本。戦後の少女マンガの通史として初めての本だったらしい。それまでの少女マンガの文化的な地位の低さは、今では想像もつかないが、それが現実だった。 内容は読んでいただくのが早いので、…

都市伝説 サンカ

コンビニ本で、「都市伝説2」なるものを買った。 その中で「富士の樹海にはサンカ(山窩)が住んでいる」という話があった。 ご存知の方もいるかもしれないが、日本原住民との説がある、平地に定住せず山々をめぐって生活していた人々で、なぜか太平洋戦争…

しょってる

ふと思い出したが、たぶん今では死語であろうが「うぬぼれている」ことを「しょっている」と私の上の世代では使っていた。 魔法使いサリーのエンディング曲で、サリーが「かわいいサリーは人気者〜」と自分で歌うのに対して、カブが「ちぇ、しょってらあ」と…

戦後SFマンガ史(1980:文庫化 2008)

米沢嘉博 本屋で見かけて買う。寡聞にしてこの人のことも、この本のことも知らなかった。手塚治虫デビューから1979年までのSF漫画を、漫画がおかれた状況や世相とも絡ませて解いてゆくまれに見る労作。 この本の前に「戦後少女マンガ史」(1980:文庫化 20…

PLUTO(プルートウ)第6巻

浦沢直樹×手塚治虫 直接この作品の内容の話ではない。 解説で山田五郎が自分が1958年、浦沢が1960年生まれであることを踏まえ、「〜科学とヒーローと革命とロックを、最も無邪気に信じた世代といえる」と書いているが、1959年生まれの私にはどんぴしゃの言葉…

おせん

きくち正太 ドラマになったということもあり、また読み返している。この人の絵柄は独特で、もしかしたら受け付けない人もいるかもしれない。それについて前々から考えていたことがある。 高橋克彦さんはご存知の方も多いと思うが、元々「浮世絵」の講師出身…

3カ月トピック英会話〜『赤毛のアン』への旅・原書で親しむAnneの世界

プリンス・エドワード島へ本土から橋がかかったという。複雑な心境。

3カ月トピック英会話〜『赤毛のアン』への旅・原書で親しむAnneの世界

今年1月に「ようこそ!赤毛のアンの世界へ」と言う番組があり、それが4月からはじまる番組の番宣であることは以前書いた(こちら) しかし、すっかり忘れていたために第1回を見逃してしまったが、昨日1週間遅れの再放送を録画する事ができて、ほっと一安…

ディズニーの魔法(新潮新書)

有馬哲夫 先日のTVで「ピノキオ」の原作が紹介されていたが、驚かれた方も多いと思う。日本ではディズニー・アニメによって世界の童話に初めて触れる子供も多いと思うが、原作と同じものはほとんど無い。この本は、どこが原作と違うのか、なぜ違うのか等、…

エミシの国のアイヌ語地名解

菅原進 昨日の地方紙に書評がのっていた、元中学教師が12年かけての北東北3県のフィールドワークによる労作。当地の「是川」「新井田」はもとより、全国的にも有名な「金田一」等もアイヌ語で意味が良く分かるらしい。奥さんも私もものすごく読みたいが、私…

日本語と外国語

(以下の論理展開は語弊があるかと思いますが、大目に見てください) 外国の小説は登場人物の名前が覚えられないから苦手だと言う方がいる。実は私もかなり同感である。なので、登場人物一覧等があると非常に助かる。で、なぜだろうと考えると、例えば日本人…

マンガ・ギリシア神話

里中満智子 かねがね欲しいとは思っていたが、古本屋で運良く1〜6巻まであったので購入、のこりはア○ゾンの予定。 予想以上に詳しく、丁寧でしかもわかりやすい。マンガで表現されて、改めて納得できる事も多く素晴らしい企画だと思う。

ハンガリー

セバスチャン様がハンガリーのボーカリスト、サローキ・アーギについて書いておられた。 ハンガリーと言えば古代フン族起源(諸説あり)とも言われ、姓名の記述順も姓が先だし、アジア色のある独特の文化だという気がする。また早くからジプシー(ロマ)を少…

アイルランド訛り、スコットランド訛り

ピーター卿シリーズ第6作「五匹の赤い鰊」を読み始めているところだが、舞台がスコットランド最南端のギャロウェイである。スコットランドはゲール語と英語、スコットランド語(スコットランド訛りの英語)が使われているらしいが、たぶん、この作品にでて…

ホームズ・シリーズの女性ファッション

シャーロック・ホームズ・シリーズの短編を読み返した。最終巻に掲載されているイラストが(発表当時のものだろうが)それまでヴィクトリア朝スタイルだった女性のファッションが、まったく変わってしまって、たぶんアール・ヌーヴォーというスタイルになっ…

「浮世絵探検」(1997)

というわけで、ちらちら高橋さん(ノンフィクション)を読み返したりしている。「浮世絵探検」(1997)という対談集があり、横尾忠則、荒俣宏、水木しげるといったそうそうたるメンバーで、特に天才が天才を語る横尾さんの北斎の回が印象深いが、この中で私…

ケルトの白馬(2000)

Sun Horse, Moon Horse (1977) ローズマリー・サトクリフ 最近は時折娘のために図書館に行ったりしている。娘のそばを離れないようにして周りを眺めると当然少年少女向けの本が目に入るが、タイトルに惹かれて手にとって見ると、少年少女向けとはいえ侮れ…

津軽と南部

先日とある方のM○XI日記に「八戸市は青森市に対抗意識がある」とコメントさせていただいたら、別の方から「同じ県内なのになぜ?」という疑問が提示された。この問題(?)については、何度か日記には書いているが、ちょっとまとめてみたいので、M○XIでは無…

グウィンのインタビュー

アーシュラ・K・ル=グウィンのサイトを見ていたら、日本の雑誌(新聞)のインタビューにeメール形式で答えたと言う記事を発見。 その雑誌のサイトを見ると、「詳しくは本誌で」と言うことで一部しか載っていないが大変参考になる。ttp://www.jca.apc.org/fem…