マタチッチ指揮 プラハ放送交響楽団(1967)
マタチッチのブル8はN響との演奏が有名であるが、3,4楽章が激しすぎで、個人的にはクナや朝比奈さんよりは下におかざるを得ないのだが、ほとんど情報が無いながらも、当盤がN響とはまったく違うアプローチという話があって、これを聴かずにはブル8のベストは決められないなと、これも取寄せ中だったがいつまでも届かないので、我慢できずに若干高めながらユーズドで購入。
正直音は悪いし1967年なのにモノラルである。
しかし、1984年のN響盤とは別人のような演奏。単純に演奏時間だけを比較してみても(最初が1967年盤)
第1楽章 17:10 13:50
第2楽章 17:22 14:57
第3楽章 26:07 25:16
第4楽章 24:37 19:47
実は、第1、第2楽章は、あのクナの1963年盤よりも遅い。第3、4楽章も、若干のアッチェレランドで演奏時間が短くなっているだけで、印象はクナよりも遅い。
ただの遅さではなく、ほぼインテンポでのっそりと重たく遅い。しかし、けっして弛緩することなく、どこまでも緊張感は失わない。第3,4楽章のはげしさも、元々が遅いので許容範囲。
これが、音がよくてステレオなら、間違いなくクナ盤に迫ったであろう。なんでこの演奏がもっと話題にならないのか不思議だ。