ジェイムズ・ボーセニュー
先日古本屋でタイトルを見かけて「この手のやつは、だいたい読んで後悔するんだよな」等と思ったのだが、何か気になった。帰宅していろいろと調べたところ、もしかしたら、と思わせる物があったので買ってみた。
3部作とのことで、現在2部まで翻訳刊行中、そろそろ3部がでてもおかしくない時期にきている。
作者が、3部作全部読んでから感想を持ってほしい、と前書きで書いてあるので、ここでいろいろと書くのは控えるけれど、やはり前書きで作者が、この手のサスペンス・スリラーという書き方をしているがこれはSFである。いや、SFの体裁をとったニュー・エイジ系の啓蒙書である。(それが判明するのは、第2部のラスト近くであるが)
SFとして見るなら、ネット上では「既に日本人は山田正紀を知っているので衝撃度は少ない」という意見が多い。これに光瀬龍や高橋克彦、石ノ森章太郎、永井豪等加えてもいいが、無宗教と言われる日本はキリスト教のしがらみが無いせいで、こういう発想は欧米のはるか先を歩んでいたのだな、とつくづく思う。
しかし、ニュー・エイジ系の啓蒙書として見るなら、なかなかの内容を持っている。だが、そこにキリストのクローンを持ってこなければならないところが、やはり西洋の限界と言えば限界ではある。
翻訳者によると第3部は読者の予想を裏切る展開らしいので、やはり第3部まで読んでみないとなんとも言えないな。