グリーグのピアノ協奏曲(初稿)

グリーグ ピアノ協奏曲(初稿)
広上淳一指揮 ノールショピン交響楽団(1993)
ルーヴェ・デルヴィンエル(ピアノ)
今回初めて知ったのだが(というか「初稿」の存在も知らなかったのだが)現在演奏されているグリーグのピアノ協奏曲は、グリーグ晩年の改訂によるもので、当時の聴衆やグリーグ自身も、この最終版を実際に耳にしていなかった、とのこと。
つまり、当時人気を博したグリーグのピアノ協奏曲は「初稿」によるものだった、ということになる。
初稿と最終版のとの違いは(ウィキペディア)
「曲想の大きな違いはないが、楽器編成が異なり、独奏と管弦楽譜で400か所以上の変更点が見られる」
とのことで、最初に気がつくのは、イントロの印象的なティンパニ金管がかぶさっているところだ。
次に、ピアノの序奏の最後(オケによる第1主題の直前)の和音は、ドミナントであるE7であるが、最終版は E7/G# 初稿は E7/E  また、第2主題は最終版はチェロ、初稿は金管である。これだけでも随分印象が違う。
全体の印象としては、聴きなれているせいもあるが最終版のほうが洗練されている気がする。
演奏の方は、ピアノ、オケとも、無駄な気負いのない、どこまでも自然体の透明感溢れるもので、あのヴァンスカがこの曲を指揮したら斯くや、と思わせる。
ちなみに広上淳一は「のだめカンタービレ」のジャンプする指揮者のモデルとか。