エドゥアルト・ファン・ベイヌムのブルックナー
ブルックナー 交響曲第9番
ベイヌム指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1956)
1956年のモノラル録音にしてはこもり気味で音が悪い。年代が新しくなるにつれ、音が悪くなるというのはどういうことだ?今回の4枚はデッカ発売だが、7番以外はもともとフィリップス録音だったようだが、その関係だろうか。
第1楽章はシューリヒトより速く、第3楽章は遅い。本当はすごい演奏なのだろうが、音の悪さで伝わりきらない感あり、まさに隔靴掻痒。
実に真摯な演奏で、これが音の良いステレオなら、シューリヒトと評価を二分したかもしれない。惜しいな。
ブルックナー 交響曲第5番
ベイヌム指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1959)
今までの7、8、9番はスタジオ録音だが、この5番は心臓発作で無くなる1か月前の放送用ライブ音源である。
しかし、同様に音が悪い。いや充分に良いのだが、もっと悪くても音が生々しければ演奏の凄さは伝わる。(変な言い方だが)演奏の凄さが伝わらない程度の絶妙な分離の悪さとこもり具合なのだ。リマスターでどうにかならなかったんだろうか。
しかし、その点を抜きにすれば、速めのブル5としては名演の部類に入るであろう。実に惜しい。