北森鴻 浅野里沙子「邪馬台 蓮丈那智フィールドファイル」
先日書店で見つけてびっくりして買ってしまった。
北森鴻が早世したのは2010年で、こんな事を書いた。
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2010/01/27
その連載中だったのが「蓮丈那智フィールドファイル・シリーズ」初の長編のこの作品で、全体の3分の2まで北森鴻が書いたところで亡くなり、続きを、いずれ結婚するはずだったという作家浅野里沙子が、北森鴻担当編集者と協議の上ストーリーを完結させた、ということらしい。北森鴻の作品は、もう読めないと思っていたのだから、これは浅野里沙子さんに大感謝であろう。(ちなみに単行本化2011年、文庫化2013年だとの事、知らなかったなあ)
北森鴻作品ではお馴染みの、他シリーズとのリンクもうれしい、というか、ファンの勝手な思いだが、絶筆なればこそ冬狐堂・宇佐見陶子、雅蘭堂・越名集治が出てきてくれなければあまりにも寂しいではないか。
さらに、この作品は「蓮丈那智フィールドファイル・シリーズ」であるのみならず、「冬狐堂」シリーズの続編でもあるのだ!北森鴻作品の幕を閉じるのに、まさにふさわしいではないか。