「新作能 紅天女の世界」(2006)氷川 まりこ(監修 美内すずえ)

先日の、美内すずえの漫画以外の本、の流れで、

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例えは悪いが「毒を食らわば~」の乗りで買ってしまう。何より「「ガラスの仮面」の舞台裏」の梅若六郎との対談の最後に「「新作能  紅天女の世界」より対談の前半を収録」とあったので、対談の全てを読むには買うしかなかったのだった。
その対談は勿論だが、「新作能  紅天女の世界」の謡本(いわゆる台本)が掲載されていて興味深かった。いわゆる狂言方の部分の東の者、西の者の会話が、面白くも人間の身勝手さや愚かさをえぐっていて、なかなかに深かった。
また、一般の人向けの簡単な能楽入門的な側面も持っている。思い起こせば、私の若い頃はNHK教育テレビで、オペラやら歌舞伎やら、能楽狂言等さかんに放送されていた。能楽狂言は凄いと想い基本的な知識は得たものの、若さのせいかオペラや歌舞伎ほどにははまらなかった。この歳になったら、じっくりと落ち着いて見れるのかもしれない。