大山倍達正伝(2006)

実は、まだ読み始めただけである。
空手バカ一代」(1971〜1977)をリアルタイムで読んだ人は少なからず夢中になったのではないだろうか。なにしろ、梶原一騎が「真実を真実のまま書く」と言っていたので、子どもである私は、すべて真実だと本当に信じていたものだ。しかし、年を経るにつれ、実は真実ではないことが段々わかってくる。梶原一騎が死ぬ寸前に書いていた「男の星座」でも「今こそ真実を書く」と言っていながら、やはり真実ではなかった。彼は、ある意味面白い話を作る天才であるから、「真実を書く」と言う言葉にだまされないようにして、その作品の面白さを楽しまなければならない。
かといって大山倍達本人の書いた本が真実かと言うと、そうではないのでまたこまってしまうのである。
だから、本当の大山倍達の人生は、どうだったのだろうと言うことは、長年の疑問でもあった。かなり分厚い本であるので、おいそれと読み終えられそうに無いが、この本で、その疑問が解けることを祈る。