へうげもの

山田芳祐
私は今漫画系の雑誌はいっさい読まなくなった。最後まで読んでいた週刊モーニング蒼天航路が終わって、読まなくなってしまった。しかし、その時連載されていた作品で気になっていたいたのがこの「へうげもの」である。この作者は前作「ジャイアント」で、独特の大胆な表現方法で注目していたのだが、戦国時代に武功にも増して、茶器などの芸術的素晴らしさを愛でる古田左介という武士が主人公。当時は漠然と架空の人物なのだろうなと思って、その後特にコミックスを買ったりするというわけでもなかった。
ところが、ひょんな事からこの古田左介が古田織部であることを知った。あの織部焼古田織部である。そうすると俄然興味が出てくるのもげんきんなものである。
作品は数奇物である左介を中心にユニークな「本能寺の変・新解釈」等読み応えがある。本能寺の変の謎はここには書ききれなほど、いろいろな人が謎を解いているが、こう言う事件は基本的に「それにより、一番得をした人間が犯人」「当時、信長に一番危機感を持っていた側が犯人」の2点の組み合わせにより構築された答えが、一番納得できるのではないか?