ミス・マープル2 スリーピング・マーダー(2006)

あいかわらず「ミス・マープル2」の方は、多くの人物設定から何から原作とはかなりかけ離れている。
例えば原作では若い新婚夫婦が謎解きに奔走するが、こちらは結婚前、しかも男性はかなり年上で仕事に忙しく、その部下(一見さえないが)が旦那の代わりを務める。しかし、その部下と奥さん(あ、結婚前か)が最後に結ばれるってのはやりすぎでは?まあ面白いことは面白いが。(伏線も気が利いている)
また旅の芸人一座とか、原作には影も形も無いものが堂々と出てくる。
さらに原作には無いがクリスティ作品にはおなじみの一人二役パターンももりこまれている。
また以前に見た「ミス・マープル2」から推測すると。このシリーズは強引に最後に登場人物を一堂に会させて「名探偵 皆を集めて さてと言い」のパターンを作りたいようだ。
しかし、前述のとおり、新たな要素も盛り込みながら、破綻無くエンタテイメントにしていることからわかるとおり、かなり練りこまれたいい脚本で、そういうものとして見れば大変楽しめる作品にはなっている。

ただ、気になるのは、ネットでこういうドラマの感想を書く人が「原作は読んだことは無いが」というパターンがけっこう多いこと。それはそれでいいのだが、原作もこのとおりの話だと誤解しないだろうかということ。欧米では常識(?)に近い形でクリスティの作品は読まれているという前提で、こういうドラマは制作されているような気がする。これは実はディズニーのアニメもそうで、欧米の視聴者は、「なるほどディズニーはこう変えたのか」と思いながら見ていたらしい。しかし日本ではいきなりディズニーのアニメからはいるので、もともとの話がそうだと誤解している人はいっぱいいると思う。とりあえずは、ディズニーも「ミス・マープル2」も原作どおりではないことは知っていてほしい。

またまた懐かしい顔を発見。チャップリンの娘のジェラルディン・チャップリンで、さすがに60才をこえておばあちゃんになった。私は近未来SF「赤ちゃんよ永遠に」(1972)が懐かしい。調べたら実写版「ハイジ」(2005)にロッテンマイヤー夫人役で出ている。これは見たいかも。
追伸
主役が「アンダーワールド エボリューション」等にも出演しているソフィア・マイルズとは気が付かなかった。
サンダーバード実写版でペネロープをやっていたようだが見てない。