殺しはノンカロリー(1994)

コリン・ホルト・ソーヤー
「海の上のカムデン騒動記」シリーズの第5作。前回書いたとおり、コージー・ミステリーの常道の流れで舞台はさらにカムデンを離れる。
スパを経営する友人からの依頼で、スパでおきた殺人事件の解決を頼まれおばあちゃんコンビはスパの客に扮して乗り込んでゆくのであった。
舞台がカムデンを離れることにより、でこぼこおばあちゃんコンビは純粋な探偵に近づいてくるが、逆に事件がカムデンと無関係になってしまうと寂しさを感じてしまうのも確か。
それでも、めでたく事件を解決し、スパを去る場面はほろりとさせられるとともにさわやかな読後感を残す。
このシリーズ、邦訳があるのは現在ここまでだが、未だが数冊あるので今後が楽しみである。ただし1999年までしか作品が無い様なので、事実上の引退かなあ。解説によると近況はエージェントが明かさないようだが、なぜ・・・・?