ヘンデル?のヨハネ受難曲

(続き)
ヨハネ受難曲」は、現在ではラインハルト・カイザーの作品であるというのが定説」
と、書いてあるサイトを見つけた。
確かにラインハルト・カイザーの海外ウィキペディアでは、作品の中に「ヨハネ受難曲」がある、が、それ以上の事はわからない。
例えば「おもちゃ交響曲」だったら、かつでハイドン作とされ、次にレオポルド・モーツァルト作とされ、現在はエトムント・アンゲラー作ということで落ち着いているが、その経緯とかは日本語のサイトでも確認できる。
しかし、この「ヨハネ受難曲」についてはほとんど皆無といっていい。多分、ヘンデルの受難曲って、そんなに話題にならないってことなんだろうな。
どうも「音楽の父」という、実際とはかけ離れた肩書きがついている「バッハ」に偏重するきらいが、日本でも、私個人でもあったことは事実だが、今回ヘンデルをいっぱい聞いていると、むしろヘンデルはもっと聞かれてしかるべきだ、と切実に思う。
実際「バロック音楽」といえば「バッハ」みたいなところがあって、ああゆう理路整然とした、かっちりした音楽が「バロック音楽」なんだと、個人的にも誤解していたが、本来のバロックの語源は"barocco" (いびつな真珠)である。(だから、今の耳には理路整然に聞こえるけど当時としてはいびつなんだろうか、と思っていた時期もある)
それ以前のルネッサンス音楽に比べて、大変感情表現に富むようになったのが実は「バロック音楽」で、バッハはその中でも最右翼の「理路整然」タイプであって、けっして「バロック音楽」の特色を代表する作曲家ではなかったのだ、と気付き始めたのはけっこう最近であった。

話は戻るけれども、ラインハルト・カイザーの作品であるなら、それはそれで嬉しい。
今でこそ「誰?それ」であるが、当時はヘンデルテレマンに並び称されていた作曲家(バッハ、ヘンデルより11歳上、テレマンより7歳上)で(バッハが有名になったのは、あくまでメンデルスゾーンによる再発見以後)バッハ偏重の耳を鍛え直してくれる作曲家の一人の曲を聴けるからだ。
とは言いながら、やっぱりバッハは大好きだけどね。対位法バンザイ!