ドニゼッティ「ルクレツィア・ボルジア」

Pierre-Michel Le Conte 指揮 Orchestre Lyrique de Radio France(1972)
Vasso Papantoniou
ホセ・カレーラス
ホセ・ファン=ダム

以前触れた(こちら)ルネッサンス期のイタリアの、かのボルジア家の物語。
カラスは歌っていないが、トルコの歌姫ジェンチェル盤があるということは随分前に書いた(こちら)が、入手不可のために、一番廉価ながら、カレーラス、ファン=ダムという豪華男声陣の盤を購入。
発掘音源の類かと思ったら、かなり音の良いライブ、しかもステレオ(楽譜をめくる音が時折聞こえるので、指揮者のそばにマイクがあるのかな)
ドニゼッティには珍しく、いかにも悲劇を思わせる導入部、しかし、あっという間に歌が始まる。「アンナ・ボレーナ」の時に「畳み掛ける様な展開のドラマティックさに秀でている」と書いたが、ドニゼッティの音楽がどんどんドラマティックに変化してきているということなのだろう。この後「マリア・ストゥアルダ」(こちら)を経て、いよいよ「ランメルモールのルチア」となるが、「マリア・ストゥアルダ」は廉価で気に入った歌手の録音が無かったのでスルーするつもりだったが、これは聞いておきたくなってしまった(汗)
今までドニゼッティで良くなかった曲は一つもない!
さて、日本のネット上でも日本語表記の出てこないギリシャのソプラノの"Vasso Papantoniou"であるが、第一声を聞いてびっくり、これはマリア・カラス?鼻にかかってちょっとこもったような声質、ヴィブラートの雰囲気がそっくりである。カラスもギリシャ系だが、まさかギリシャの歌手がみんなこうではあるまい。ネット上でもよくわからんが、この人を知るためにジェンチェル盤が入手不可だったのか?