中津文彦 みちのく王朝謀殺事件

中津文彦  みちのく王朝謀殺事件
一時期、歴史ミステリーを盛んに読んだ頃があって、高橋克彦さんやら、井沢元彦やらと共に中津文彦も何冊か読んでいて、ふと懐かしくなって中古でいろいろと買って読んでいるのだが、この作品は知らなかった。
主題は平泉藤原三代の初代清衡の妻子の謀殺なのだが、二部構成の第一部が清衡の父の経清の時代からの歴史小説になっており、あたかも中津版(というのも高橋克彦さんの先輩にあたる中津さんには失礼だが)「炎立つ」の趣きで、興味深く読んだ。
元々当時の資料は極端に少ないから、キャラ設定等は作者の想像になる。先日、コンビニ本で横山まさみちの「奥州藤原4代」を買ったのだが原作は(たぶん)今東光の「蒼き蝦夷の血」で、これもやはりいろいろと違うのが面白い。
個人的には高橋さんの「炎立つ」で刷り込まれているので、やはりこれが一番好きだな。