ディーリアス「レクイエム」

ディーリアス「レクイエム」
デイヴィス指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(1968)(EMI)
ヘザー・ハーパー(S)
ジョン・シャーリー=カーク(Br)
ロイヤル合唱協会


「人生のミサ」同様、無神論者のディーリアスがなぜ「レクイエム」かというと、献辞が「戦争に倒れた全ての若き芸術家の記憶に」といってしまえば話は簡単だが、作曲当初にはいかなる戦争も起きていなかった、というから謎といえば謎、歌詞も従来の「レクイエム」ではないらしい。
メレディス・デイヴィスによるこの録音は、その歌詞の内容から、支持者であるビーチャムやフェンビーにも嫌われたこの曲の世界初録音である。
肝心の音楽は、ラストの静謐感を除けば、やはり宗教音楽とは程遠いおどろおどろしさで、非キリスト教圏の日本人のほうが面白く聴けるのかもしれない。