続 P.P.アーノルドの話

先日、ベストがお高い、と書いたP.P.アーノルドであるが

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/08/05/060252

実は、若い頃の彼女の正式なアルバムは2枚しかなく、現在出ているのは、それのどちらかか、それらから抽出したものに未発表音源とかの付加価値をつけたのもが何種類も出回っているという状況であることを知った。そんな中

P.P.アーノルド・ベスト・コレクション

というのが非常にお安いので買ってみたら、日本盤で解説も詳しく非常に助かった(日本のウィキペディアが無いので、海外のを自動翻訳して情報を得ていたのだった)
で、このCDは解説によると1st(1967)と2nd(1968)を1枚にまとめた"P.P.Arnold Collection"に、シングルのB面1曲をプラス、さらに、オリジナルではモノだった曲3曲をステレオと差し替えた日本独自盤とのことだった。
ステレオと差し替え、という部分は、1stはモノラル発売なのだが、収録曲のうちシングル発売時にステレオだったものは、そのバージョンと差し替え、ということのようだ。また、解説では全曲収録とあるが、厳密には、2ndの方は「カフンタ1~4」という短いインストロメンタル曲4曲が曲間をつなげている(このCDには「カフンタ1」のみ収録)なので、歌入りの曲全曲、という意味では日本語解説も間違っているわけではない。
キース・エマーソンとのつながりは前回書いたが、スモール・フェイセス時代のスティーヴ・マリオットが曲を提供していたり、ミック・ジャガーも曲提供やプロデュースをしていたりして、当時のイギリス・ロック界の後押し感が半端ないが、それだけ期待されていたということなんだろう。
彼女の声は、私がたまに表現で使う「あられもない声」に近く、それがソウルやロックの範疇に収まり切れない爆発力で迫ってくる様は圧巻である。
ちなみに1st、2ndの後、レコード会社が倒産、別のレコード会社でアルバムを録音するものの未発売(現在はCD化されている模様)ミュージカルに転身して活躍、そして前回も書いたピーター・ガブリエルの"So"に参加して再度注目をあび、それきっかけかはわからないがビートマスターズなる電子音楽グループとのコラボで1988年に"Burn It Up"というヒット曲を生み、現在も活動を続けているらしい。(2019年に新作アルバムが発売されている)凄いな。
こちらが1stのスティーブ・マリオット作の曲。

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こちらは2ndからカフンタ1を間に挟んだ冒頭3曲のメドレー。youtubeでは分かれているが、実際は繋がっている。展開がなかなかに感動的。2ndは、トータル・アルバムの雰囲気もある。

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先日はピーター・ガブリエルの「ビッグ・タイム」を貼ったが、やはり「スレッジハンマー」の方がバックコーラスが面白いので改めて貼る。

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こちらがビートマスターズとの"Burn It Up"

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